こだわりが強い人っていますよね。
こだわりが強いって悪い事ではないと思うんですよ。
例えば、アーティストなら。
自分が納得できるまで作品に時間を費やし、仕上げていくのはある意味、作品に対するこだわりですよね。
アーティストじゃなくても、どんな仕事だってそう。
こだわりが強い方が完成度は高くなるし評価を得やすいと思います。
でも、反面。
そのこだわりが強すぎて、社会生活に支障をきたす人もいる。
髪型が納得できずに遅刻してしまったり、自分が正しいと周りの意見を一切受け付けなかったり…
ASDがあると、このようなこだわりが出やすくなるんです。
漢字練習のこだわり
長男もこだわりが強いです。
前に、本棚に本を綺麗に片付けたくて、それを崩されるとパニックになる話を書きましたが。
あれも、わかりやすい本棚へのこだわりです。
最近本棚のこだわりは薄れてきたんですが、また新たに気になるものが出てきました。
それは、漢字の練習方法のこだわりです。
例えばですけど、曜日の漢字
月・火・水・木・金・土・日
を覚えたいとして。
「木」という漢字だけが、どうしても覚えられないとするじゃないですか。
そんな時。
私だったら、覚えた漢字は置いといて、覚えられなかった漢字の「木」だけを繰り返し書いて覚えていきます。
こういうやり方の人は多いと思う。
けど、長男は、必ず先頭の「月」から書いていくんです。
月・火・水・木・金… と。
しかも、1つ1つ、綺麗~~~な字で書いていく。
だから、すごく時間がかかる。
いいんですよ、別に。
綺麗に書くのは素晴らしいし、自分のやりやすい方法で覚えればいい。
でも、長男の場合、こうなる。
もう時間がないっ
覚えられないっ
テストに間に合わないっ
自分のこだわりを捨てられない
焦っている長男に、効率のいいやり方を伝えてみました。
メモ用紙に苦手な漢字だけダダーッと書けばいいんだよ。
字を覚えるのが目的だから汚くても大丈夫。
同じ字を何度も書いた方が覚えやすいよ?
でも、長男は漢字練習帳にまた月から丁寧に書いていきます。
そして時計を見ては、 間に合わないっ!! っと。
・・・
長男は、全ての勉強において完璧主義というか、似たようなところがありますが、特に漢字はこだわりが強いと思う。
この後も、
「綺麗に書きたいなら、せめて「木」だけにしてみたら?」とか、
「赤字で大きく書くと頭に残って覚えやすいよ?」とか、色々言ってみましたが、
最後まで、彼は自分のやり方を変えることはありませんでした。
こだわりを変えるのは嫌
そんな長男を見て感じたのは、
自分が慣れ親しんだやり方を変えるのが不安なのかな ってこと。
ASDはイレギュラーが苦手で、ルーティンワークを好みますから。
慣れてるやり方を崩すのが不安で、嫌だったのかもしれません。
せめて、言葉にしてくれたらいいんですけどね。
「そのやり方がいいのかもしれないけど、僕には僕のやり方がある。
いつもと違うことをするのが嫌なんだ、だからこのままでいいんだ。」
こんな風に教えてくれたらいい。
でも恐らく彼は、やり方を変えたくないという感覚も無いんじゃないかと思う。
だから、こんな風に口に出すことはありません。
なんか嫌だ
そんな感じなのだと思います。
このこだわり、大人になってからだとどうなるんでしょうか。
効率良い仕事のやり方を教わっても、同じように頑なに変えないのかな。
そんな時、(アイツは融通が利かない!)って、悪く思われちゃうのかな。
長男が大人になるまでに、
ASDの特性が広まって、多様性が認められて、
自分にとって無駄に思えるこだわりが、相手にとっては必要なことがある と、世間に広まるといいな。
そして長男も、
他のやり方もちょっとだけ試してみる と、そんな柔軟性がつくといいなと思います。
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