【児童精神科】精神科への偏見を覆してくれた長男の児童精神科

ASDグレーゾーン

恥ずかしい話ですが、私は発達障害と関わる前、精神科に偏見がありました。

幼い頃、家の近くに精神科の入院病棟があったんですが、その時の記憶が強いからだと思う。

格子がある窓に、たまに道行く人が「あ~」とか「う゛~」とか叫んだり、ブツブツ呟いたりしてたんですよね。

学生だった私は、そこを通って通学しなければならず、毎回ビクビクと警戒していたものです。

だから、長男の児童精神科へ初めて行った日も、身構えてしまってたのですが。

長男の病院は、そんな私の偏見を見事に取っ払ってくれました。

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時間ピッタリに迎えに来てくれる先生

緑が多くて窓から光が差し込む綺麗な病棟。優しそうな看護師さん。完全予約制なので混雑はしてないし、先生方も明るくとても居心地がいいんです。

それに有難いのは、ラガー先生の気遣い。

先生は、毎回、時間ぴったりに長男を迎えに来てくれました。

1分早いでも遅いでもなく、ぴったりに。

長男は時間に厳しいんですよね。

例えば時計の時刻を合わせる時、彼は秒単位で合わせようとします。

この前、長男のデジタル時計が狂ったんですよ。

だから直すように言ったんだけど、彼は電波時計の針を瞬きせずにじっと眺めて合わせてました。

でも、デジタルの数字を合わせる時にボタンを押すのが遅れてしまい、狂っちゃうんです。1~2秒くらい。

1~2秒ですよ?

そのくらいいいじゃない、と思うんですが、彼は嫌。

その1~2秒の狂いを直したくて、何度も何度もやり直してました。

ラガー先生にその話をしたことはありません。

だから、ラガー先生は、長男に限らず、こういうタイプの子に対してはいつもそうなんだと思う。

ここの外来には、時間に正確な子が多いだろうからね。

医師という忙しい職業にも関わらず、このような気遣いをしてくれる先生と巡り会えたことは、とてもラッキーなことだと思います。

そして、この病院の暖かい空気は、幼い頃感じていた精神科の悪い印象を、優しく塗り替えてくれたのでした。

丁寧な心理士さん

心理士さんも、すごく丁寧に私達親子に接してくれました。

前回書いたようにプレイセラピーは1回1時間なので、付き添いの私は、1時間空いた時間ができることになるんだけど。

その間、私は以前紹介した家族ノートに先生に言われたことを整理したり、待合室にある発達障害関連の本で勉強して過ごしてました(真面目か)

でもたまに、心理士さんからお呼びがかかることがありました。

「長男くんのことを教えて欲しい」と。

その場合は、予備の部屋で、主治医には伝えきれなかった近況を話して過ごしました。

若い女性の先生で(ニコニコしてるからニコ先生と名付けます)長男の検査を担当してくれた先生です。

ニコ先生から教えて欲しいと言われる日もあれば、私から「相談がある」と持ち掛ける日もありました。

要は、臨機応変なんです。

これってすごくないですか?

なかなかないですよね。

1時間という枠で予約しているからこそだろうけど、この臨機応変に話を聞いてくれるスタイルは、私にとってかなりの安心材料となりました。

心理士さんとの会話で不安がどんどん取れていく

この日は私がこの2つを聞きたくて、心理士さんに時間をとってもらいました。

・通院をやめたらどうなるのか
・アスペルガーではないのなら普通の育児でいいのか
実際にした会話を紹介しますね。

先生から感情を抑え込んでいると聞いたのですが、そんなに?程度はどのくらいなんですか?

家では落ち着いてる日が増えてきたのですが、通院をやめたらどうなりそうですか?

通院は様子を見ながら考えましょう。

通いにくければ、減らすこともできますし、長男くんに合わせて予約の間隔を調整しましょう。

アスペルガーではないのですよね?

「強迫的」と聞いたんですが、普通の子として育児をしていいのか、特性のある子として特別なやり方をした方がいいのか悩んでるんです。

うんうんと、話を聞いてくれるニコ先生。

私が伝えたことを全てメモしてくれています。

ここで私は、具体例を挙げて質問してみました。

例えば最近、小さなささくれにバンドエイドを貼っていました。

強くなって欲しい思いがあり、「そのくらい大丈夫」と言ったんですが、感覚過敏があるのなら対応が違いますよね。

逆にバンドエイドのストック沢山用意するくらいの方がいいのでしょうか?

小さいことだけど、そういうことが山ほどあり、その都度対応に困ってしまうんです。

長男くんは難しい子なので対応もワンパターンではいきません。

その都度、本人に相談するのがいいと思います。

ニコ先生とは、いつもこんな感じでやり取りをしてました。

この頃私は、夫が事件を起こし解雇され、ギャンブル依存症から薬物依存症になりかかっていたことから夫の精神科も付き添ってました。

同時に、次男三男に療育が必要なのかも悩んで保健センターや保育士さんとやり取りしてました。

常に切羽詰まっていて、頭がパンクしそうな状態だった。

今思い返しても、よく倒れなかったと思う。

ラガー先生も含めて色んな機関に相談したけど、先生方に「AとB、どっち?」と聞いても、明確な答えを貰えることは少ないです。

私としては「A」か「B」決めて欲しかったんですけどね。

もう考えたくないから、1つでも困りごとを減らしていきたかった。

でも、長男という1人の複雑な人間に対して「こうすべき」と言い切るのはなかなか度胸のいることだし、ある意味、乱暴な対応だし。

私には解決策を示してくれる人ではなくて、話を聞いてくれる人が必要だったのかもしれません。

ニコ先生とは、何度も何度も話をしました。

長男に限らず、夫のことも、義両親のことも。

そして、話を聞いてもらえる度に、気持ちが軽くなるのを感じてました。

うんうんと、聞いてくれるニコ先生には、

「お母さん大丈夫ですよ、荷物一緒に持ちますよ」と、そんなメッセージをいただいている気がしてた。

って、書いてるだけで思い出して泣けるわー、ありがとうニコ先生。

今になって思うと、この頃の私は正常な状態ではなかったのかもしれません。

そして先生方は、そんな私に対し、自然な流れでカウンセリングをしてくれていたのかもしれません。

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