先日、発達障害者がうつ病やギャンブル依存症などを抱えている場合、
一次障害の発達障害にアプローチしなければ困りごとは繰り返すということを書きました。
今日は、その具体例です。
二次障害のギャンブル依存症のインパクトがでかくて一時障害である発達障害に気づかなかった
我が家の場合、ギャンブル依存症という困りごとが出てきてから約15年間。
発達障害には気づきませんでした。
ずっとずっと、ギャンブル依存症だけをみてきました。
本を読んで、どんな病気なのか学んだり、自助グループがいいと聞いて通ったこともある。
でも、まったくよくなりませんでした。
借金がとまらない。何度も何度も繰り返してきました。
夫は膨れ上がった借金をどうにもできず、債務整理をしたこともあります。
それでも繰り返しました。
そこでやっと気づいたんです。
この人おかしい。障害があるのでは? って。
携帯ではなくPHSを使っていた世代です。学生の頃なんてポケベルですよ?(古っ)
今みたいに気になることをすぐ検索できるような環境になかったし、発達障害という言葉も聞いたことがなかった。
だから気づかなかったのは当たり前なんだけど。
でも、理由はそれだけではありません。
学生時代、優等生だった夫は、いつも笑顔で人当たりがよく、穏やかな人でした。
そんな人に障害があるなんて思わないじゃないですか。
それに、ギャンブルからくる「借金」のインパクトがとにかくでかい。
私にとっての困りごとはいつだって「借金」でした。
ギャンブルをやめさせなくちゃ
借金をとめなくちゃ
そのことで頭がいっぱいだったんです。
通いだしたギャンブラーズ・アノニマス(GA)
その頃、ギャンブル依存症を何とかしようと通っていた自助グループがあります。
ギャンブラーズ・アノニマス 通称 GA です。
GAはギャンブラーの世界では有名だと思います。
例えば、「ギャンブルに困っている」と、どこかの機関に相談した場合、「GAには行かれてますか?」と返ってくることが多いと思う。
そのくらいオーソドックスな自助グループです。
ご存じない方のためにリンク貼っておきますね。
GAで何をするかと言うと、 同じ悩みを持ち合わせた人たちで集まって、互いの経験や考えを話すんですよ。
ただ話すだけです。 意見交換などはありません。アドバイザーがいるわけでもありません。
それぞれが匿名で自分の経験を話し、言いっ放しで終わるんです。
初めは(なんだそれ)と思ったのですが、言いっ放しで終わることにより、誰かに責められる不安は無いし言い返される心配もない。言いにくいことでも吐き出せる場として自助グループは役に立っていると思います。
このような自助グループは、アルコール依存症や薬物依存症にもあり、一定の効果を上げていますから、今、依存症に悩んでいる方は調べてみたらどうかなと思います。
というか、リンク貼っときます。
こちらは、依存症対策全国センターのホームページです。
アルコール、薬物、ギャンブルの自助グループがまとめて掲載されてるので、興味のある方は覗いてみてください。
自助グループは効果がない?
リンク貼っといてなんですけど。 うちは、通うのをやめてしまいました。
一言でいえば、「効果がなかった」のですが、それが何故かと考えると、一次障害の発達障害をスルーしていたからだと思います。
GAに通っていた時はまだ発達障害に気づいてなかったから。
ADHDの飽きっぽさも、ASDの共感能力が乏しいことも、気にせずに、ただいいと言われたから通って、何も感じずに終わったという印象です。
GAは、互いの経験談を聞くことで(あぁ、自分と同じだな)と、思いを分かち合ったり(1人じゃないんだな)と励まされたり、(自分も頑張ろう)と奮い立たされたり、
誰かの話を聞くことで、
痛みや苦しみを分かち合い、共感しあうことで、元気を貰う、励まされる、 そんな特徴があると思うんです。
夫は無理じゃないですか?
だって、彼は自閉症スペクトラムです。
自閉症スペクトラムには、有名な3つ組の障害があります。
これらをもうちょい詳しく説明しますと。
ってことになると思う。
あれ。
自助グループの良いとされている効果が無くな…
…りはしませんが。
正直、効果は出にくいかと思います。
これはあくまで発達障害がある我が家のパターンで私個人の意見です。
そう感じたのは、夫本人が自助グループに対して「よくわからない。特になにも感じない」と言っていたから。
定型発達の方なら効果が出やすいんでしょうけどね。
また、特性の出方は十人十色ですから。
同じ障害でも、日ごろから自分の特性と向き合い、自分を知ろうと努力されてる方なら効果はあると思う。
夫、何も考えてないから(ムカつく!)
だから、自助グループは効果がなかったです。
いえね?発達障害があるから自助グループは向かないってことじゃないんですよ。
最近は当事者さん達の自助会もあるようだし、先ほども書いたように、ご自身の特性と向き合おうとされてる方達には有効なのだと思います。
ただ、ASDの受動型で
「行けと言われたから行った」といううちの夫には、効果が無かったよ ってこと。
特にご家族の方は、自助グループと繋がった途端に(これで大丈夫)と思い込まない方がいいかもしれませんね。
自助グループは絶対的なものではないから、期待するものが得られなかった時に傷ついちゃうかも(それは私だ!)
自助グループというのは、ヒントを貰いにいくところ、支えてもらうところ、という位置づけがいいのではないかなぁと、感じています。
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